この記事は凡夫じゆうちょうから引っ越したものです。
お久しぶりの凡夫です。
一応毎日更新しているのでお久しぶりというのは変なのですが、兎角感想文を書くのは久しぶりなのでお久しぶりです。勢いに任せて兎にも角にも感想を書いていこうという思いを込めて付けたのですが完全に名前負けです。どうしてこうなった。
今回は大人の絵本というか大人だけが読める絵本を紹介します。
この本を手にとった理由は佐世保女子高生殺害事件
1年くらい前に読んで、世の中にはすごい絵本があるんだなと、とても印象深くまた読もうと思っていました。そうしたら佐世保女子高生殺害事件というショッキングなニュースが流れてきて、報道を見ているうちに読み返したくなりました。
これは純粋殺人であると報じていました。恨みや金銭が目的ではなく純粋に殺したくて殺すことをそう呼ぶそうです。なんだか文学的な表現だなと思いました。
人を殺したい
女の子はそう思いました
理由はありませんでした
この文章からはじまる絵本は純粋殺人を描いた話なのかもしれません。もしかしたら彼女が人を殺した理由はこの絵本に描かれているのではないかと思いました。
凡夫の感想
あらすじというかネタバレ
人を殺したいと理由もなく思ってしまった女の子は大好きだった母親を殺します。そして母親を殺したことを怒られたくないと考えて父親を殺し逃亡生活を開始します。ですが1日で飽きてしまい両親がいないことに絶望して警察に出頭。裁判長に自ら死刑を願い出て女の子の人生は終わります。それで物語も終わりです。
死刑執行日
死刑執行の朝、神父が女の子に懺悔を勧めましたが女の子は断わり、こう言いました。
天国も地獄もありはしないわ、生活、生活、生活、あるのはそれだけよ
こうして女の子は死刑になりました。おわりのことばもとても印象的です。
このようにして女の子は死んでいきました
幸せでも
不幸せでもありませんでした
幸せではない、ならわかります。ですが不幸せでもありませんでした。この文章が最初に読んだときは理解できませんでした。ですが佐世保女子高生殺害事件の報道を見て少しわかった気がします。結局わからないんです。
どうしようもなくこうなってしまったものに対して、一般的な常識や感性では推し量れません。この考えは逃げです。ですが無理に理解できないものを理解しようとするのはよくないと思います。道徳的ではないし論理的ではないのですが、暗闇を覗き込むような本能的な恐怖を覚えました。
人間は一定の確率で人を殺さずにはいられないように出来ているのではないか。そんな根拠のない妄想をしてしまいました。
次に読みたい本
こういう大人向けの絵本というは結構あります。そしてどれも大抵、精神的に厳しい絵本が多いです。その手の絵本で有名なのはエドワード・ゴーリーですね。この人は多分なんらかの神話的事件に巻き込まれた経験があると凡夫はにらんでいます。
最近、というわけでもないですが数年前にシリーズ化されて好評だったのが怪談えほんシリーズ。これも大人向けです。というかこの手の恐い本を絵本を読むような子供に聞かせることに抵抗があります。
ですが怪談というのは子供を守る知恵として使われていたという意見もあります。例えば河童の怪談は河での危険性を子供に伝えるために使われたという側面もあるようです。
それに闇の中に何か恐いものがいるというあの恐怖とも畏怖とも言えない、原始的な恐怖というのは生き物にとって大事なものではないか?という風にも考えてしまいます。
何事もバランスなので用法用量を守って恐い話を聞かせてあげてください。
山姥が来ると脅されて育った凡夫からのお願いです。