島津豊久の名言集・名セリフ「首置いてけ!!」：平野耕太『ドリフターズ』

ここがどこで何がどうなっているか何も知らん
これが夢か現か何もわからん!!
だったら俺は
突っ走る事しか知らん!!

首置いてけ!!
首置いてけ!!　なあ!!
わがんねぇよぅ
何言ってんのかさっぱりわがらねぇ
日本語（ひのもとことば）しゃべれよう
日本語しゃべれねぇんなら死ねよ

首置いてけ　なあ　大将首だ!!　
大将首だろう!？
なあ大将首だろおまえ

ひ…わ…うわ…
ギャ――ッ殺されるーッ
妖怪｢首おいてけ｣だ――ッ

誰が妖怪か!!

おう　お前たち
恥ずかしくないのか祖先に
恥ずかしくないのか子孫に
お前達　国は欲しくないか
這うて悔いて死ぬか
疾って夢見て死ぬか
どちらにする!?

首は洗い整えて埋めてやった
人として供養してやった
こちらに手を合わせれば良か
糞小便が汚かと思うなら
俺もお前も腹ば切れば中は糞の詰まった肉袋ぞ
手を合わせ弔った首にではなく
糞ば詰まった肉に人ん魂は宿るのか
理ば合わなかではなかか

女房子供を取り戻せ
それで初めて畜生でなくなる
お前達を畜生に堕とした奴ばらめの首を取れ
この世に正と邪があるならば
これは正ぞ
たとえ死んだとてあの世で父祖にこう言える
闘って死んだと
家族を守ろうと死んだと
女房を取り返せ
子を取り返せ
国を取り返せ
己を取り返せ

大将首もろうてっくど
俺の手柄ちなってくいや
の？

叩く時は追うて追うて根まで叩かねば駄目じゃ
叩いたら叩いて潰せち教わった
親父殿もおじ上殿ももう一人のおじ上も
もう一人のおじ上も
おじい様もひいじい様も
言うておった

やな一族だな

何だとう

じゃっどん礼はすぐに言わねば
人はさくりと言えのうなるからのう

血迷ったかこいつ!!

応
薩摩ん兵子で血迷うとらん者は一人もおらんど

お前らなどに何が判る!!
フランスの民を救うため
神のために信仰のために
戦い続けた私達の事の何が判る!!

知らぬ!!　ふらんすなんぞという国　聞いた事も無か!!
だいたいきりすとって何じゃ!!　ああとんだ骨折りぞ!!
南蛮人は訳ん判らん事ばかり言いよる!!

主らの法度など知らぬ
俺は女首は取らぬ
これが俺の法度じゃ
俺らはあの通路ん男の駒では無か
俺らは人ぞ
俺らは俺らの理で疾走る

あなたの目的は何です?
信長殿の様に世界を変える事ですか?

首級
寝てん覚めてん薩摩兵子は突っ走る事しか頭ん無かぞ

良か　腹召す器にあらず
将器にあらず!!
首だけ置いていぐ器ぞ

もうやらされば無か
こいは我らの戦じゃ

セキガハラの後にシマヅ家がどうなったか知りたい?
教えてあげても良くってよ

そがいな事は言わんでも決まっちょる

え?

あの段でんすでに義弘叔父上は
わいらが時ばかせいで脱しておられたはずじゃ
義弘様さえ薩州に帰られたなら決まりきっちょる
島津は徳川家ば滅ぼした
何十年
何百年
かかったかは知らん
じゃっどん必ず
島津兵子が滅ぼした

いやこいでよか
流れには乗る物ぞ
水の流れはさえぎるもんではなか

とうとうと流れ流され
流れのまま滅んだ奴など
いくらでもおるぞ?

そいならそいで　良か

良くないぞ
おい
全然良くない

島津十字
その家紋決して忘れた事はない

島津んお家ば知っちょるんか何者ぞ

新撰組土方歳三義豊

島津中務少輔豊久
日ん本武士じゃな

貴様がその紋を付けているという事
それだけで島津薩州の者という事だけで
お前を斬る100万の理由に勝る

えらいうらまれておるのう
木崎原かの
耳川かの
沖田畷かの戸次川かの関ヶ原かの
それとも朝鮮ノ役かの
わが家は心当たりが多すぎてのう
主ぁ見ればおいの生きた時とは大分違う様だの
ははぁさては
俺らの子孫がなにかしでかしてしもうたかの?

こいは合戦ぞ
首の掻き合いに道理なぞあらんど
使える手ぇば何でん叩っ込まねば相手に申し訳ばなかど

貴様は俺達を舐めた
新撰組を舐めた
いつまでも飛んだり跳ねたり出来るものか馬鹿奴

おいはぬしゃを舐めた事なんど
一度も無かど
戦場ち飛んでん跳ねでん何でんするど

信や与一はおいが大将ち言うたが
おいは一度もそがい思うた事は無か
おいはしょせん……
おいはしょせん功名餓鬼よ
義弘殿や親父っどになれん
じゃっどん奴は違う
第六天魔王織田前右府信長は違う!!
おいがぬしゃ相手にがまりばすれば
その間を食ろうて信が必ず潮目を変える
そのためなら飛んでん跳ねでん何でんするわい

貴様…

俺ら兵子が関ヶ原で死んでも
島津のお家はそれを糧に事を成す
死んでも死なぬそいでん何でもできる

島津!!

おいがここで死んでも
そいを糧に信は事を成す
ろくでもない事かもしれんがの!!

てめえら島津のそれが
俺達を殺しやがった

てめえは本物のいかれだ

戦さちもんははなからいかれたもんぞ

あんた三国志知ってる?

あったりめえだろ俺信長だぞ?

なんかあんた今の立場
軍師ヅラじゃない

お　おう

あんたさ　コーメーとかシューユっぽい立場風のノリだけど
あんたの今の現状
陳宮ぽいわよね

やだ―――――!!
陳宮やだー!!
死ぬじゃん
最期死ぬじゃん

呂布にあやまれ
三国志の奴は全員死んでんだよ!!

何が大きか危機ば迫ったからちうて
恨みば忘れち判りあえるなんど
幻しん過ぎん
人は一度受けち恨みば絶対に忘れん
一度与えち恨みん恐怖は絶対に忘れん
舎利ばなるまで消えやせん

ないごてこげな所で声ば張り上げとる
ないごて槍でん棒でん取って帰らん
ないごて故国ば戻って死なん
ここは人界万里のどんづまり
逃げ場なんぞどこにも無かぞ
俺はただの戦餓鬼
どうせいこうせいする智も無くば才も無か
ぬしゃらが黒王ん首ば取りに行くなら
俺も行って首ば掻き取ってやっど
ぬしゃらがえんずば倒して
郷里ば取り返しに行くなら
おいも行ってえんずば皆殺しにしてやっど
ぬしゃらがそいでつたなく死んだなら
おいも一緒に黄泉路ば魁けちやっど
共に行く者に俺は何でんしちゃる
俺の命ばくれちゃる
共に行かんもんはいらん
いらんからここで死ね
ここはどんづまりのどんづまり
泣いてわめいてめそめそ死ぬなら
腹裂いてさぱっと死ね

泣こかィ
跳ぼかィ
泣くよか
ひっ跳べィ

こがいなもん笑うしかなかろうが
笑うて死なずば生まれ変われぬと言うど
また一緒に戦えればええの

やれる事は全部やった!!
と　おいは思う!!

主にオレがな!!

おう主に信がな!!
もう逆さん振っても鼻血も出ん
負ける気なぞビタイチ無か!!
じゃどん負けたらごめん!!

信そっちば行くと
まぁた火車ば曳く事ばなっぞ
戦じゃぞ合戦しとるんじゃぞ
戦は笑うて死ぬるが勝ちじゃ
そんなシケ顔で信忠に会う気か
笑えい
無理んでもいつもの糞下卑に笑えい

しょせんは寄合所帯じゃ
皆が皆己の頭で何が考えちうう
そこには我もあれば欲もあれば情もあっど
どんだけしくじりを潰しても
必ず何か顔ばひこひこ出してきよる
そいが合戦
終わりの始まりぞ

殿軍は
しんがりは島津中務少輔豊久
おいが殿ば務めもっそ
運命がおいにもう一度あれをやれと言うておる
もういっぺん命ば捨てがまらせてやると言うておる

おい
坊いくんか?

応征く

もう会えんか?

応たぶん

死ぬんか

たぶん!!
じゃからのじじどん
そろそろ目ェば覚ましてくれんかの

よし死ね
覚めたわ

こいはやけくその突出ではなかぞ
島津ん軍法は今際の際までやけば無か

命
捨てがまるは
今ぞ
!!

薩人はいつもそうだ
正気のまま狂う