さだやす・深見真『王様達のヴァイキング』の名言集

あいつはなんのために生まれてきた?
PCと遊ぶためじゃないだろう。
今までの真っ当とは呼べない経験が、
奴に見えない宝をくれているはずなんだ。

そうです。
難しければ難しいほどワクワクして…
次はもっと、もっとって思って、
できないと頭に来て。
超えた時がたまらないんです。
だから、始めたら終わるまでやめられない。
その時、僕はいなくて…
自由なんです…
ただ夢中で…
その間だけはーー
現実(こっち)と違って、
自分を思い通りに動かせる……

僕の名前は是枝一希です。
生まれてから18年と96日。

好きなものは、
PCと、数字と、飼い犬の256です。
僕は今、
何者でもありません。

僕は子供の頃から、
恥ずかしいと
顔が真っ赤になります。

それが嫌で、
素数を数えて落ち着こうとしたり
256のことを考えました。

母はいつも楽しい人で、
笑ってもらうと元気になれました。

母が出ていった日も
母はいつもと全く同じでした。

僕に冗談を言ったきり
そのまま帰ってきませんでした。

義父の真木さんはいつも怖い顔をして、
僕と話してくれませんでした。

仕方なく僕を育ててくれたんだと思います。

僕を「小さな天才くん」と
呼んだ母のことも、
目を合わせてくれなかった
真木さんのことも、
よくわかりません。

それは、僕が何ひとつ
まともにできない
欠陥品なせいです。
でも10歳の時に真木さんが
買ってくれたPCは、
今まで出会った誰とも
違いました。

ひとつのブレもなく、
嘘もつかず、
裏もかきません。

注ぎ込むだけ返してくれて、
僕と”等式(イコール)”で結ばれる友人です。

理解してほしくて、
もっと僕をわかってほしくて、
ただただその前に座りました。

ここにいる人達はみんな戦ってきた人です。

自分のために、誰かのために、何かのために。
ゴリラ君やあのビデオ屋の外を歩いていく人達も
みんな、そうだったと思います。

僕はなぜ今まで戦わなかったのか、
今は恥ずかしい気持ちでいっぱいです。
だから、顔が赤くならないように
数を数えます。

自分の使い道に
気づいた人間って強いよな。

今まで散々、
他人(ひと)に笑われてきたけれど…
見返してやりたいと思ったのは
これが初めてです。

我が身を案じる程度の奴には、
世界なんて動かせないだろ。

世界中の人達に無視されても、
たった一人話を聞いてくれた人がいて、
僕は世界と繋がれた…

でも、ゴリラ君なんだ!!
家や学校で嫌なことがあても、
ゴリラ君とPCいじってる時は忘れられた!
PC の使い方もたくさん教えてもらった!
正直、もうこれ以上は無理だって…
そう思う時もあって…
僕のせいで、みんながまわりから
いなくなっていくのが嫌で…
それでもゴリラ君だけはずっと僕といてくれた…

理想を掲げずにどうやって
「未来」を目指すの?
みんなが最初からあきらめてしまえば、
誰かが苦しんでる「今」が続くだけだ。

是枝君、人間は捨てたもんじゃないよ。
だってキミが好きなコンピューターを
作ったのは「僕ら」なんだから。