佐藤タカヒロ『バチバチ』が読みたくなる名言集・名セリフ

上等だよ…殺せるもんなら殺してくれよ…
何より残酷なことって知ってるか…?
死んで生きたくねーから
ココに来たんだよ…

土俵には俺の全てがあるんだ　
わかるか鯉太郎
俺が俺を証明できる唯一無二の場所よ…
相撲ってのは生き様だ…
それをバチバチにぶつけ合うのが力士よ
死んで生きれるかってな

誰にも否定はさせねーよ…俺の生き様は
証明してやるよ俺が何者かってことを…
よーく見てろ
俺は神になるんだ…

今サビが流れ出とるだろ…

サビ?

あぁアイツの中にある余分なモノのことだ…
人より強いという間違った自信
間違って手にしちまった核心
それが一気に腐食して目ん玉から流れ落ちるのよ…
残酷だぜ…自分の本当の位置を知っちまうんだからな
だが余分なモンがサビて体から出たあと
単純で純粋な鋼の芯が現れるのよ…
強さへのギラギラした欲望って芯が

ちょっ…ちょっと待てよ！　
また逃げるのかよ！！

あ！?
逃げてねーから土俵に上がってんだろボケが…

うるせーんだよ…ペラペラペラペラ
ヒビかねーんだよ
テメーの吐く言葉は…誰に言ってんだ?
俺か?　なら喋るのはここじゃねーだろ
土俵で話せよ　虎城の息子

ゴメン…けどもう…
俺は土俵を知っちまったから…
もう土俵でしか生きらんねーよ…

ごっつぁんです

ふざけろよ…まわし締めて土俵に立ってんだ…
アレを認めちまったら
俺はこの世から消えちまうだろーが
ガキの頃から勝てねーと思って
相撲取っちゃいねーんだよ

強くなりたきゃ今お前がすべきことは四股　スリ足…
基本を血肉に叩き込むことだ…
地金をしっかり鍛えてねー刀ってのは
見た目よくてもあっさり折れちまうもんよ

ほれ！　上を向かんかバカモノ！
地面を見たってそりゃ　
大きな壁を見てるよーなもんだ
進むべき道はありゃせんぞ
辛い時こそ頭を上げなけりゃいかん
すんなりと思い通りにいくもんなんて
世の中どこにもないんだぞ…
本当に手に入れたいモノがあるならなおさらだ…
前を見て悔しさも苦しさも飲み込みながら
逃げず引かず進んで行け…
本物になれよ大器！

なぁ先生…
俺みてーなメンドクセー奴に
何であんなに一生懸命だったんだ?
定年間近だったのに…
ほっときゃよかったじゃん…
　
俺はプロだからな…　

まだじゃないよ…もうだ…
仕方ねーよ…
俺は相撲取りだからな…

ちょっ…ちょっと待て…
あの……程度だと…
テメーごとき小者が…
俺の兄弟子語ってっと殺すぞ!!!
テメーじゃ…死んでも
今の吽形さんには勝てねーよ…

どうよ…俺の兄弟子…シビれるだろ…

阿形…俺はここまでかもな…
勝負はお前の勝ちだ…

ヒヨッたコト言ってんじゃねーぞ
聞きたかねーなんなコトは…

お前だから言ってんだよ…

お前だから聞きたくねーんだよ…

見てただろ村神さんを…
この大ケガでまた元の相撲を取れるのかよ!!

取れるに決まってんだろ!!
お前がいるから俺はここまでこれた…お前もそーだろ!!
俺らは二人で阿吽だ!!
お前の最後は俺が決めてやる…
俺の最後はお前が決めろ…

初めは20歳の頃でしたよ…
弟弟子が関取になって俺より位が上がったのは…
あの時は悔しくて悔しくて夜も眠れないほどで
拳を震わせながら弟弟子に敬語を使ってたな…
だけどそれが二人三人と増えていくにつれ
いつのまにか何の抵抗もなくなって…
気づけば意地やら悔しさは
「しょーがねぇ」って奴に喰われちまってた…

優勝したのに車椅子で運ばれてちゃ…
カッコつかないっスよ

どこまで意地っ張りなんだ…

仕方ねぇよな…

あぁ…
力士やってんだからよ　

お前はまだ始ったばかりじゃねーか
焦るな　強さも体もすぐには出来ねーんだ
地道ってのが一番の近道なんだぜ…
三年先の稽古をしよーぜ鯉太郎…

支援者ってのは俺達の星の色一つで
一喜一憂してくれる一番近いファンなんだ
そしてあの人達の支えの一つ一つが
俺達が土俵に上がるための環境を支えてくれている…
一人で強くなれると思うな…
自覚をもて…俺達はプロだ

無理とか無駄とか微塵も思ちゃいねー…
なんせ俺はバカだからよ!!
必ず全員ブン投げる
オメーらだけには死んでも負けねぇ

ダメもとで勝負…だと?
今から負けた時の言い訳かよ…
ダメもとなんて言ってる奴が
必死にやってる奴に勝てんのか?
ブチカマシはどーした…出
し惜しみするぐれぇオメーは強ーのかよ…
稽古場じゃねーんだぞ
本場所ナメんなよ

ありがとう…じゃねーよ…
イラついて当たっちまっただけなのによ…

ブハハハ
さすが長いコト
下であがいてる奴の言葉は重いな

うるせーよチクショー…
ダセェな…俺は…

フン　ダセェ奴が番付抜かれた弟弟子に
胸は貸さねーだろ…

諦めて帰れ……ここは戦士が
誇りを賭けて戦う戦場だ
お前のような金しか頭にない
卑しい者がいていい場所じゃない

…誇りだ?　金しか…頭にねぇだ…?
毎日腹一杯喰ってあったけーもん着て
フカフカのベッドで寝てるヤローが何言ってやがる!!
誇りなんてもんは金のある奴だけが持ってる余裕だ!!
テメーもゴミ漁ってから物言えや!!!

この世界に入って痛烈に思い知ったコトがある…
結果がすべて
「努力してます」
「一生懸命やってます」
「僕は必死に頑張っているんです」
そんなコトはクソしてケツ拭くくらい
当たり前のコトだ…
そんなモンひけらかしたトコで…
返ってくるのは薄っぺらい同情と慰めぐらいだ…
そこには歓喜も称讃もねぇ!!
報われたきゃ結果を出すしかねぇんだ…
評価されたきゃ勝つしかねえんだ!!

立ち向かおーぜ
結局それしかねーんだよ

それは君のエゴじゃないのか!?
これでもし彼が再起不能にでもなったら
君に責任がもてるのか!!?

俺らは力士だ　
ハンパな覚悟で生きちゃいねぇ
限界までいって土俵の上でブッ潰れちまったのなら…
それはそれで本望だ

絶対に認めない!　
そんな道理医者として納得できない!!

頼みます…
何とかこのまま吽形を
土俵に上がれるよう治療してやってくれよ先生………
もう一度手術なんて言ったら……
吽形はここでもう引いちまうかもしれねぇ
それほどの地獄から
吽形はここまで這い上がってきてんだ…
信じてやってくれ親方………頼みます……
もし…本当に吽形がダメな時は…
その時はキッチリ俺が終わらせる…
吽形は俺の……たった一人の…親友だから…

信じられない
アレがヒザを壊した男の動きか…
何であんな思いきった相撲を取れるんだ…
彼に不安はないのか…

常に不安と共に生きてるんですよ力士ってのは…
負けちまうんじゃねーか……
オレは強くなれねーんじゃねーのか…
常に自問自答を繰り返し　
その不安を払拭するため毎日愚直に稽古を積む…
挫折を繰り返しながら才能を磨き…
己を肯定するために土俵に上がる…
アイツは自分の現状を冷静に考えわかっとるはずです
それでも先を信じて必死に土俵に上がっている
並大抵の覚悟じゃないはずです
俺にはその覚悟を踏み躙れない
たとえ師匠であっても奪えんのです…生き様は…

どうだ!?　スゲー兄弟子だろ!
俺が全力でブチ当たろーがビクともしねー
こんな人たちが生きているこの土俵なら…
俺は何者なのかみつけられると思うんだ…
俺がどれ程のものか…試してみるよ…
俺が選んだこの土俵で！

ゴメン…白水さん……あんなコト言っちまって
俺ごときが…ゴメン………

謝ってんじゃねーよ　
忘れちまったよそんなコトは…

完敗っス…やっぱ強ーよ
白水さんは……

あったりめーだ
俺はお前の兄弟子だぞ…

うん…

なぁ新寺よ…駄目だな俺は……
土俵での気構えを教えておきながら…
気を抜くと俺が目を逸らしちまいそうになる
四股…摺り足…股割り…
強くなりたけりゃ基本の地金を鍛え上げろ…
アイツらは俺を信じ不満も言わず毎日…
必死に…愚直に稽古を積んできた…

そうか実っとるな…

あぁ…あの足でも地金を崩さず戦っとる…
その健気さに…どうしても涙が出ちまう…
よくやった　
お前らは…俺の…誇りだ

なぁ…阿形…俺は………
俺はまだ…やれると思うか?

無理だ　もう辞めろ

そうか…無理か

無理だ

終わっても…いいのか…

終われ

そうか…

そうだ

わかった

鯉太郎…お前はそのまま曲がるなよ
俺は不器用なお前が真っ直ぐに
伸し上がる姿を見てみたい
そして必ず自慢させてくれよ…　
アイツは俺の弟弟子なんだ……ってな

必死に土俵に上がってきた者だからこそ…
本気で相撲を取ってきたからこそ…見える限界もある
わかっとったよお前が今場所
最後の覚悟で土俵に上がっていたことは…
俺には…たとえ周りにとやかく言われようとも…
ただ黙って悔いなく…
力士としての意地を
貫かせてやることしかできなかった
お前の生き様を…
親である俺が否定することはできなかった…

俺は空流で…親方の弟子で…本当によかった
自分は空流で生きることは戦いだと知りました
そして立ち向かって生きる気概を身に付けました
人間は誰でも大なり小なりそれぞれに何かを抱えて…
皆何かと戦っている
嫌になって逃げたところで…
逃げた先にも必ず戦いはある
どうせ戦うのなら俺は
これからも正面から向かっていきます
たとえうまくいかないコトだらけでも…
決して引かず…前へ…
空流の看板を背に…立ち向かって生きていきます

土俵には俺の全てがあるんだ
わかるか鯉太郎…
俺が俺を証明できる唯一無二の場所よ
相撲ってのは生き様だ
それをバチバチにぶつけ合うのが力士よ！
死んで生きれるか!!