吉野源三郎『君たちはどう生きるか』の要約にもなる名言集

世の中を回している中心なんて、
もしかしたらないのかもしれない

だからねえ、コペル君、
あたりまえのことというのが
曲者なんだよ。
わかり切ったことのように考え、
それて通っていることを、
どこまでも追っかけて
考えてゆくと、
もうわかり切ったことだなんて、
言っていられないようなことに
ぶつかるんだね。

コぺル君いま君は、
大きな苦しみを感じている。
なぜそれほど
苦しまなければならないのか。
それはねコペル君、
君が正しい道に
向かおうとしているからなんだ

君自身が心から感じたことや、
しみじみと心を動かされたことを、
くれぐれも
大切にしなくてはいけない。
それを忘れないようにして、
その意味を
よく考えてゆくようにしたまえ。

……コペル君、
君は自分が感じたことを
心の中で言葉にできる
中学生でそれができる君だって、
なかなか立派だと思うぜ?

世間には、悪い人ではないが、
弱いばかりに、自分にも他人にも
余計な不幸を招いている人が
決して少なくない。