『薬屋のひとりごと』の名言集「薬屋をやってきて思う」│日向夏

薬屋をやってきて思う、
女の笑みほど恐ろしい毒はないと。

無知なふりをしていたほうが
世の中立ち回りやすいのだ。

「どうして、あのまま死なせてくれないのか」
「ならば、食事をとらねばいいことです。
　粥を食むということは、死にたくないからでしょう」

勝てる勝てないの問題ではないと思います。
それに、間違いは学習すればいいのです

世には百、千の花がありますが、
牡丹と菖蒲のどちらが美しいかは、
決めつけるものではないと思います

少しの工夫でいくらかましになるものなのに、皆、
頭が回らず苦労していることがわかった。
慣例に慣れてしまうと、
ちょっとした工夫でも思いつかなくなるものらしい。

どうせなら、河豚がいいなあ。
内蔵をうまく羹に紛れ込ませて。
あの舌の先がしびれる感じがたまらない

「おまえ、莫迦だろ？」
「向上心が強いと言ってください」

もし、自分が死ぬとするなら、
まだ試していない毒を試して死にたいと思う。

「些細な失敗で、簡単に吹き飛ぶ命です」
「そんなことはしない」
「する、しないではなく、できる、できないですから」

客観的にものを見なければ、
正しいことにはたどり着かない。

薬学またはそれに関わりのある知識ならともかく、
歴史など習ってなにになろうか。
法律などいつ変わるかわからない代物だ、
覚えても意味がない。

世の中、知らないだけで、
不思議なことはほとんどない。
不思議と言うなら、
それは自分の知識がまだ足りないだけなのだ。

貴方にとっては、妓女の一人かもしれないが、
私にとってはたった一人の女なのです。
妻として迎えたい女を自分で稼いだ金で請けずして、
それで男と言えましょうか

女とは狡猾な生き物です。
なので、狙いが外れたときは我を忘れたことだろう。
自分を傷つけることすらいとわないほどに

政というのは、いかに民に不満を与えずに
税をむしり取るかだ。
そのために、民の収入を増やす必要があり、
その初期投資として税を使う。

今後、問題を起こさないのであれば、
飼い殺しにするのが後宮としては一番簡単だったろう。
ひどい話だが、
それくらいやっていかないといけない場合もあるのが、政だ。

ただ、頭はよくても愚かな人間は世の中巨万といる。
その多くは、感情というものに支配されて間違いを犯す。