クリスティーン・ポラス『Think Civility』の要約にもなる名言

他人に無礼な態度を取ると、
結局、自分が大きな損をすると
わかっている人は多い。
でも逆に、礼儀正しく
節度ある態度で周囲に接すると
自分にも良いことがある
とわかっている人は意外に少ない。

私が学んだのは、
人は、他人が言ったことを忘れるし、
他人のしたことも忘れるけれど、
その人にどういう気分にさせられたかは
決して忘れない、ということ。

単に自分以外の人間への
無礼な態度を目にしただけでも、
テストの成績は20%低下し、
ブレーンストーミングで思いつくアイデアの数も
30%減ってしまった。
無礼な態度に接すると、
認知のための資源が奪われてしまう。

礼節ある人には
「声がかかりやすい」ということである。
何かを一緒にやろうと誘われる機会が多い。
同僚に何かを手伝ってもらう必要が生じた時、
声をかけるのはどういう人だろうか。
いつも親切で愛想の良い人だろうか。
それとも、より有能だが、
態度が大きくて無礼な人だろうか。

礼節ある態度とは、
人に感謝する、人の話をよく聞く、
わからないことは謙虚に人に尋ねる、
他人の良さを認める、
成果を独り占めせずに分かち合う、
笑顔を絶やさない。

礼節ある経営者は従業員に安心感を与え、
チームや企業に属するメンバーたちの態度、
行動が良い方向に、価値を高める方向に変わる。
従業員が安心を感じられ、
より幸福な気分になり、
また自分自身もより良い人間であると思えるから。

無礼な態度を取ること、取られることを
自己完結的な体験だと思っている人は多い。
だが実際には無礼さは
ウイルスのように人から人へと伝染していく。

常に周囲の人に気を配ること。
他人の立場でものを考えること。
笑顔でいる時間を増やすことも大事だろう。
どれも皆が幼稚園の頃から
教わってきたはずのことである。
ところが、大人になるにつれ、
せっかく教わったことを忘れてしまう人が多い。