田中泰延の名言集│『読みたいことを、書けばいい。』の要約にもなる名言

「自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい」
という原理に気がついた。

『文章力向上72のステップ』
などという本を見ると、
気が遠くなる。
だいたい、いつまで
ステップしているのか。
いい加減にホップをするなり、
ジャンプをしてはどうか。

そもそも文章読本というのは、
文章を書くことによって
功なり名遂げた人が著すものだ。
有名なところでは谷崎潤一郎『文章読本』、
三島由紀夫『文章読本』、
丸谷才一『文章読本』などがある。
これらに共通する点は、
第一に、名だたる文豪が
書いたものであるという点だ。
第二に、題名が同じなので
買うときに紛らわしい点だ。

「手段が目的にすりかわったこと」
趣味とは、倒錯であるともいえる。

「わたしが言いたいことを書いている人がいない。
　じゃあ、自分が書くしかない」
読み手として読みたいものを書くというのは、
ここが出発点なのだ。

「わたしが愛した部分を、全力で伝える」
という気持ちで書く必要があるのだ。
愛するポイントさせ見つけられれば、
お題は映画でも牛乳でもチクワでも良く、
それをそのまま伝えれば記事になる。

事象に出会ったとき、
そのことについてしっかり調べて、
愛と敬意の心象を抱けたならば、
過程も含め、自分に向けて書けばいい。

書くことは、生き方の問題である。
自分のために、書けばいい。
読みたいことを、書けばいい。

人間は他人の話を聞きたくない。
わたしの話を聞いてもらわなければならない。
あなたの話を聞かなければならない。
最初に、その2つの考えを捨てたら楽になる。

人は、お互いに、他人のストーリーを、
バックグラウンドを、想い出を、
歴史を、悩みを、事情を、
そんなにすぐには聞きたくないのである。
そこを早い段階で話そうとするから、
会話は失敗する。

〝おもしろい会話〟のベースは
〝知識〟にある。ちょっとした
〝知っていること〟
を言えばいいのだ。
それに応じて相手がもし、さらに
〝知っていること〟を重ねれば、
そこから話は転がっていく。

不機嫌で人を動かすのは、赤ん坊。
ご機嫌で人を動かすのが、おとなである。
おとなが口を開くのは、
自分の機嫌をよくするためで、
それは他人の機嫌もよくする。

日常会話において
〝ツッコミ〟は不要。
そして、大切なのは
〝ボケ〟をかます姿勢。
人間が会話をして幸せになる秘訣はそこにある。

あなたが他人に対してすべきは、
さらにおもしろくするように話をつなぐか、
できそうにないなら
〝ただ笑う〟、
それだけでよいのだ