ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の名言集

「老人はすべてを信じる。
　中年はすべてを疑う。
　若者はすべてを知っている」
と言ったのはオスカー・ワイルドだが、
これに付け加えるなら、
「子どもはすべてにぶち当たる」になるだろうか。

無知なんだよ。
誰かがそう言っているのを聞いて、
大人はそういうことを言うんだ
と思って真似しているだけ

頭が悪いってことと無知ってことは違うから。
知らないことは、知るときが来れば、
その人は無知ではなくなる

そうやってな、他人にしたことは、
ぜんぶ自分に返ってくるんだよ

自分たちが正しいと集団で思い込むと、
人間はクレイジーになるからね

多様性ってやつは物事をややこしくするし、
喧嘩や衝突が絶えないし、
そりゃないほうが楽よ

法は正しいってのがそもそも違うと思うよ。
法は世の中をうまく回していくためのものだから、
必ずしも正しいわけじゃない

善意は頼りにならないかもしれないけど、
でも、あるよね

いまや親に資本がなければ、
子どもが何かに秀でることは難しい。

未来は彼らの手の中にある。
世の中が退行しているとか、
世界はひどい方向にむかっているとか言うのは、
たぶん彼らを見くびりすぎている。

これって、そういう勝ち負けの問題なの？　
いじめって、闘いなの？

イエローでホワイトな子どもが
ブルーである必要なんかない。

人間の本質についてわたしが
本当に知っているたった一つのことは、
それは変わるということである。

よく考えることって大事なんだね。
誰かのことをよく考えるっていうのは、
その人をリスペクトしてるってことだもんね。

将来的には、人と人が出会うときに、
自分はどの代名詞で呼ばれたいかって
みんなが言い合う時代になるんじゃないかな。
ノンバイナリーの先生がそう言ってたよ。

多様性のある場所は揉めるし、
分断も起こるが、
それがある現場には
補強し合って回っていく強さがある。

ラフ（粗雑） とかタフとかってのは、
大人になるにつれ身に付く性質だから。

すごく難しいことは、
バシッと言い切れる結論にはならない。
何かを言い切ったほうが
エンターテイニングだけど、
わからないって正直に終わるのもリアルでいい。

親は親で好きに生きていてくれたほうが、
子どもはハッピーだと思うよ。

僕の身に起きることは毎日変わるし、
僕の気持ちも毎日変わる。
でも、ライフって、そんなものでしょ。
後悔する日もあったり、
後悔しない日もあったり、
その繰り返しが続いていくことじゃないの?

早く自分で本が読めるようになりなさい。
たくさん本を読んで大学に行けば、
私のような仕事をせずにすむし、
こんな団地に住まなくてもすむ。
一生懸命勉強して、
こことは違う世界に住む人になりなさい。

ねえ、誰かに死にたいって言うってことは、
助けてほしいってことなんじゃないかな?
つまり、もっと生きていたいから、
そのために助けてってことじゃないの?

若い人はもっと解放されたほうがいいと思う。
しかたがないと諦めず、
別の世界はあると信じられれば、
それは可能になるんだ。
すべての本ではないが、
いくつかの本はその助けになる。

子どもの頃、私を助けてくれた大人たちがいた。
だから大人になった私にも、
あなたを助けさせてくれないかな。
世の中には、子どもを助けたいと思う大人もいるのよ。

あなたはもう何もしなくていいの。
見ないふりをせずに、言い訳をせずに、
何かをしなくてはいけないのは大人たちのほうだから。

ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、
世界はまだここで続いている。
でも、それは前とは違っている。
たぶん世界はここから、
私たちがいるこの場所から変わって、
こことは違う世界になるのかもしれないね。

人生には悪いこともある。
Always look on the bright side of life
（いつも人生のブライト・サイドを見ようよ）

違う考えを持つ者たちがさ、
一緒に暮らしていくのは可能なんだってことを、
大人はそれができるんだっていう
アクチュアルな姿をね、
子どもたちに見せることが
大事なんじゃないかと思って。

お前らの世代は、何でもそういう風に
合理的に片付けようとするけど、
人間が生きるって、それだけじゃないからな。

平等なんて狭い場所限定で目指さないと、
世界中を平等にするとか無理じゃん。
だから国を閉ざそう、参入禁止とか言い出すんだろ。
それ後ろ向き。
グローバルに行かないと。

お前の言ってることは
だいたい正しいんだろうと俺は思う。
でも、気に入らねえ。
なんかこう、はっきり言って
リアルじゃねえ感じがするんだよな

絶望、なんてロマンティックなことは、
上の階級のやつらがすることだよ。
そんな抽象的なことで腹はふくれない。
労働者はまず下部構造。
食っていかねばならんのだ。

労働者の連帯は国境を超える。
移民も、英国人も、みんな一緒に闘わなきゃ。
またそういう時代が戻ってきたんだよ。