斎藤恭一『大学教授が、研究だけしていると思ったら、大間違いだ!』の要約にもなる名言選

これまで25年間に延べ120校の高校や予備校を回って、
1万人の生徒に出会った。
そのうち私の研究室をめざしてやって来てくれた学生は3名。
スカウト獲得率は、0.03%である。

医学部は別格で、
放っておいても受験生が集まるから、
高校への働きかけが必要ないんだよ。
だから、工学部の新しい学科が味わう苦労なんてわからないんだ。

教員生活を30年もしていると、
全員に好かれる気がしなくなった。
こちらがやさしく微笑んでも、キャンディーズの歌のように
微笑み返しをする学生は50%程度。
無表情、または関わらないでくれという顔をして、
下を向く学生もいる。

研究費は、あればあるほどよいわけではない。
多額のお金があると、使い切ることや
関連書類を作成することに忙しくなって、
頭が働かなくなる。

世界中にこれだけの研究者がいるんだから、
たいていのことはすでに考えられている
と思ったほうがいいんだよ。
研究者は芸術家とは違うんだよ。
モーツァルトがいなかったら、
あの音楽は世の中に生まれなかったかもしれない。
でもね、君がいなくても、
誰かが必ずその研究をするんだよ。
研究を芸術にたとえる人がいるけど、
それは間違いなんだ。