『奥田英朗』の名言│おすすめ作品ランキングと名言集(イン・ザ・プールなど)

責任感やプライドは
諸刃の剣です。
半分はエエ加減がいいんです。

どっちが悪いとか、
そういうことじゃなくて、
就職するって結婚と同じで、
好き合って一緒になったものの、
いざ暮らし始めたら
こんなはずじゃなかったって、
そういうの、よくあること。

椅子取りゲームに
負けたからと言って、
しあわせまで
奪われるわけではない。

庇ってるんじゃなくて、
誰にでも人生があるし、
バックグラウンドがあるし、
血のつながりがあるってこと。
もう五十を過ぎたんだから、
いろんなことを許そうよ。

人生を大袈裟に考えなければ、
ほとんどのことは諦めがつくのだ。
それを悲劇ととらえる人と、
運命と思って受け入れる人の差は、
心の中のスイッチひとつでしかない。
勇気に欠けるのかもしれない。
臆病なのは事実だ。でもそれで結構。
わたしはしあわせだ。
自分たちの物差しで、
他人の人生を判定しないでほしい。

自分で発見した物でないと
人は感動しないし、
そもそも求めない人間には
感動もないのだ。

おれと同じ人間ばかりじゃいやなんだ。
変わり者がいなくて、
同類ばかりだったら、
職場は息が詰まるだろう。
ちがう価値観のやつにもいてほしい、
あのとき、そう思ったんだ。

白黒をはっきりさせると、
余計に角が立っちゃうの。
しばらく灰色のままにして様子を見る、
そういうのも日本人の知恵なんだから。

将来に希望がないと、
人間は悪事が平気になる。
世の中不公平なのだから、
少しぐらいのことは許されて
当然と思えてくる。

旅の経験は、
心の中で推敲される。
大半の出来事が忘れ去られ、
ほんの少しの出来事が
記憶として残る。
そして残った記憶は、
ときどき湧き出ては、
わたしの退屈な日常を
励ましてくれる。

だいたい「生きがい」だの
「自分探し」だのというのは、
現代病の一種である。
「みんなが主役」などと
マスコミが甘言をささやいた時点で、
人は新手の悩みを抱えるようになった。
自分なんか勘定に入れるなよ。
何様のつもりだ。

間違っていても
伝統は伝統なのである。

ままならない人生、
降りかかる不幸、
自分の手には負えない運命が、
行く手には多く横たわっている。
それを一人で
背負わねばならないとしたら、
世界はつらいばかりである。

そうか。好きにしなさい。
若いと大変だなあ。
成功体験が乏しいから、
待つことを知らない。
今しか見えない。
待った先に何があるかわからない。
ああ、青春は面倒だ。

つまりストレスなんてのは、
人生についてまわるものであって、
元来あるものをかくそうなんてのは
むだな努力なの。
それより別のことに
目を向けた方がいいわけ。

きっと大丈夫だ。
そんな気がする。
負けそうになることは、
この先何度もあるだろう。
でも、その都度
いろんな人やものから
勇気をもらえばいい。
みんな、そうやって頑張っている。

一人で勝ってると
遊び相手がいなくなるよ。

若いもんが評論家になってどうする。
ああいう客席から人のやることに
難癖つけるような仕事はジジイがやるもんだ。
若いもんは舞台に上がるんだ。
下手くそだってかまわない。
自分の頭と体を使って
一生懸命何かを演じなきゃだめなんだ。
若いってえのは特権だ。
失敗がいくらだってできるって特権だ。
評論家は自分じゃ失敗しない仕事だろう。
だからだめなんだ。
失敗のない仕事には成功もない。
成功と失敗があるってことは素晴らしいことなんだぞ。
これぞ生きるって実感なんだ。

一目惚れは
恋なんかじゃないよ。
発作だよ。

物事の大半は、
時間が経てば全部笑い話だ。

一人の人間の生きる意義なんて、
60億分の1ほどのものでしかない。
そう思えば気がらくだ。

世間なんて小さいの。
世間は歴史も作らないし、
人も救わない。
正義でもないし、基準でもない。
世間なんて
戦わない人を
慰めるだけのものなのよ。

立場はちがっても、
女同士は合わせ鏡だ。
自分が彼女だったかもしれないし、
彼女が自分だったかもしれない。
そう思えば、やさしくなれる。

気にしちゃいけないって
思うこと自体が気にしていることで、
どうせ堂々巡りなのよ。

これからは毎日が
針のむしろだろう。
でもいい。
言いたいことも言わないで
生きているよりはずっといい。

結婚すれば
いまの悩みなんて
全部解決するもんだと思ってた。
でも、そうじゃないんだよね。
人生ってもともと半分は
ブルーにできてるんだよ。