うすね正俊『砂ぼうず』の名言集「プロは奇をてらわない」

クソッこの業突張ごうつくばりが　
そんなに金が欲しいのかよ
あたりまえじゃん
弱い者や貧しい者を踏みつけにしてもか
あたりまえじゃん

か、囲まれたらどうするんだ？
フン、そうしてくれた方が楽なんだけどな。
一人ずつ殺ればいい。
奴らは仲間同士カバーできるフォーメーションを組んでいる、かっちりとな。
一人に手を出せば二人から袋叩きにされる。
………
艦砲射撃で敵の戦力と戦意を削りつつ、
味方を接近させ一気に止めを刺す。
安全で確実なダレでも知ってる当たり前の戦法だ。
プロは奇をてらわない。
確実なことを着実にこなしてくる。
だからおっかないんだ。
もちろん、オレもおっかないぜ。

俺は受けた仕事は必ずやり遂げるってんで、
評判とってんだ。
その評判を落としたくないんでね。
なんでもやっちまうのさ。

なあコングさんよ。
たしかにてめえは関東大砂漠で最強最大だ。
この砂漠に、てめえよりでけえやつはいねえだろうぜ。
だからよ。
だからよ、真上からの攻撃は受けたことがねえだろ。

俺はね、与えられた状況を徹底的に利用して、
いくつも地獄を切り抜けてきたんだよ。
そんな凄腕で、かっこいい俺が、
おまえみたいな甘ちゃんスナイパーに、負けるわけねえだろ。

こいつを見ろ。
太陽と砂に焼かれ、自ら発する熱にも耐え、
5年も戦い続けてきた。
服は焦げ、身体に張り付き、
装甲は無数の銃弾と熱でぼろぼろだ。
補修も修理もなんの支援も受けずにだぞ。
しかも数百年の眠りから覚めてからのことだから、
100%の性能ではなかっただろう。
それでも素晴らしい戦闘能力を見せてくれた。
内在する戦闘力たるやはかりしれない。

怖えな…。

そうじゃろ。

あんたのことだよ。
5年間、おいしい話で俺みたいなの雇って、
こいつにけしかけてきたんだろ。
いったい何人殺したんだい、あんた。

群れて強くなったと勘違いしたくずどもが、
この世界に何をしたか、知ってんだろ。
この地獄の関東大砂漠を作ったのは、
おめえの大好きな弱者どもじゃなかったのか。
てめえはそんな無責任に、
理想を語るしか能のないへたれ野郎どもと、
同じ臭いがするんだよ。

俺は、生まれてからずっと正しいと思ってきたことが、
くそったれと思えるようになって、
信じられるものがなくっちまったんだ。
だから俺は、今ここでこうしている。
自分が進む道を見つけるために。

何言ってやがる。
欲の皮つっぱらがってる、おまえが悪いんだよ。

性懲りもなく同情買おうとしてますよ。
とっつかまえますか。

ほっとけ…。
あのバカに比べたら、やつらの方が、
よっぽど関東大砂漠らしい。

銃は道具だ。道具は生かすも殺すも使い手次第。
良い道具を持ったからって強くなれるわけじゃねえ。
あいつを見てみろ、ん?
俺は55年生きてるが、こんな嫌な人間を見たことがねえ。
卑怯でけちでちびで底意地が悪くて、なんだか知らんが、
むんむんぎらぎら、威圧的だ。だがな。
だがな、なんといっても一番むかつくのは、
この野郎は親父の形見のおんぼろ散弾銃一丁で、この地獄の関東大
砂漠を渡り歩いてるってとこだ。
308や223、ロケットランチャーにグレネード、
あげくは、武装ホバークラフトまで手玉に取り、今もこうしての
うのうと生きてやがる。
あのポンコツショットガン一丁でだ。
それだけでもいかにこいつが悪辣に、
汚らしく生きてきたか、手にとるようにわかるじゃねえか。

どうだ、やなやつだろ。

はい、とっても強い人だと思います。

時に狡猾かと思えば、
このような判断ミスをする。
人間というのはおもしろい生き物だ。

戦争だぜ、なんでもできる。