岩田徹『一万円選書』の要約にもなる名言集

一万円ほどのご予算で
お客さん一人ひとりに合った本を選びますよ、というもの。
肝心なのは、どんな本を選ぶか。
ここに僕なりのこだわりと工夫があります。

料理人の仕事は
これ美味しいから食べてみて!
書店主の仕事は
これ面白いから読んでみて!です。
これに尽きます。

結局みんな本に何を求めているか?
ということなんです。僕は思います。
自分と同じものを求めているんだと。
共感するために読んでいるといっても過言ではない。

自分はすごくマイノリティな人間だと思っていたけど、
本の中に自分と同じ考えを見つけた。
するとすごく嬉しいわけですよ。
一人じゃないんだ、とホッとする。
本によって孤独感を緩和することができるんです。

直感的に響いてくるもの、
訴えてくるものはもちろん、
妙に何かひっかかるなぁ
と感じるタイトルの本は、
あなたと相性がいい可能性が高い。

本屋にしろ、古本屋にしろ、図書館にしろ、
本に携わる仕事をしている人の使命は、
玉石混交の出版物の中から読み継がれていくべき
本物を見つけ出し、
読者に紹介していくということ。

2％の本好きは、放っておいても本を買ってくれます。
だって本が好きなんだから。
だから本屋の腕の見せ所というのは、
98％の人たちをいかに本の世界へ引き込むか。