『伊集院静』の名言│おすすめ作品ランキングと名言集

人生は哀しみとともに歩むものだが、
決して悲嘆するようなことばかりではない。
嵐の海を見させられても、
必ずいつかホテルの部屋の窓に
まぶしい陽射しが射しはじめる。

他人と協調して何かをすることができなかった。
横暴、威圧、傲慢……と思える相手の態度を見ると、
自分にもあきらかにある同様のものは放ったまま、
その相手に牙を剥いていた。

あなた何をやったって大丈夫。
私にはわかるんです。
けれどあんまりしんどいことをしてはいけませんよ。
その方が人生にはいいんですよ。

歳を取ると、季節が変わるのが
面倒臭く思えることがあります。
目の前を過ぎて行くものが、
いろいろやってくれないで、
そのままでいてくれないものか、
と思うんです。

あんまり考えない方がいい。
なるようにしかならないものです。
無理にそうしなくとも、
何かがなる時は、むこうからやって来るもんです。

世間には昔から考えても
どうしようもないことがヤマほどある。
答えが出ないことの方が、実は
私たちが生きている社会にはあふれているのだ。

最近、都会に住む人たちが
ジムやサプリメントを身体に入れて、
体力をつけようとしているが、
ああいうものでついた力には限界があるように思う。
いざという時、身体を張って何かを守ったり、
厄介な状況を突破せねばならない時、
本当に必要な体力と気力は、
やはり実践の中で培われるもの。

なぜ人は皆が集まったり、
何かをしている所に身を置くかと言うと、
それは安堵、安心を求めるからである。
しかしその安堵、安心も、いっときのものでしかない。
人と同じ行動していると、疲れるだけである。

奇妙なもので、若い時はわからなかった箇所が、
ああ、そういうことだったのか、
と理解できるようになるのが本というものだ。

もし五十年後でもわからなかったら
どうすればいいんでしょうか?
それは簡単。私はバカだったのだ。
と自分のことを知ることができる。