岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』の名言集

でもそうやって、願望を交えた臆測ばかり頼みにし、
結果もっともありうべき可能性から遠ざかってしまうことが、
はたしてリカさんのためになるでしょうか。

聞いたところで、
過去が変えられるわけでもない。
それでもきみは、
彼女の背負ったものを受け止める覚悟があるかい。

人の生きる時間は限られている。
出会う人出会う人いちいち深く付き合って、
内面を確かめてから
あらためて好悪を判断する余裕などない。

しかし何かにつけ真面目に向き合いすぎ、
客と接するにも堅苦しくなってばかりいるよりは、
適宜障害となる垣根を越えて
客に安らぎや喜びを提供できるくらいでなければ、
まだまだ一流の喫茶店員とは呼べないな。

あのお店がお客さまにとって、
「心地好い世界」であればうれしいですね。

誰もが心の内側に、人には見せたくない何かを抱えている。
はたから見ればもどかしくとも、
その外壁をみだりに破るべきではないだろう。

私の代わりに、怒ってくれたんですよね。
ありがとう。
でも、諍いはいけませんよ。
誰も幸せになりません。

だから、生きましょう。
自分で作った物語を終わらせて、
その先にある現実を生きていきましょうよ。

あなたがどこにいても、その居場所を突き止め───
悲しみの本流から抜け出せるまで、
私が手を伸ばし続けます。