夏目漱石『草枕』の名言です。
嬉しい恋が積もれば、恋をせぬ昔がかえって恋しかろ。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。
矢張り向こう三軒両隣りにちらちらする唯の人である。
唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、
越す国はあるまい。
あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりも猶住みにくかろう。
四角な世界から常識と名のつく角を磨滅して
三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよからう。
-
-
小説『坊ちゃん』夏目漱石の名言集
夏目漱石の小説『坊ちゃん』の名言です。 きのう着いた。つまらん所だ。 十五畳の座敷に寝ている。 宿屋へ茶代を五円やった。 かみさんが頭を板の間へすりつけた。 このままに済ましてはおれの顔にかかわる。 ...